後輩に贈る仕事哲学

失敗した時に思い浮かべる相手が教えてくれること

2013年頃の思い出

これまで企画者・プロデューサーとしていろんなイベントに携わらせてもらってきた。

参加されたかたが喜んでいる姿を見て嬉しくなり、お礼を言ってもらって感動したことは何度もある。そんな嬉しかった記憶は心のどこかに残って私を支えてくれているんだろうけれども、それでも、いつも思い出すような記憶ではない。

3年目の大失敗

何かあった時、いつも思い出すのは、私が企画やプロデュースの仕事をするようになってから3年目の出来事。(写真の頃の私:約3年前)

任される仕事も増え、いろんなことが一人でできるようになってきた頃、あるヨガイベントの企画で大失敗した。当日になって考えが至らなかった自分に気づき、そのイベントを担当されるヨガの先生方に迷惑をかけてしまった。

もちろんみんな「大丈夫!」「気にしないで」「kayaちゃんのせいじゃない」「しかたないよ!」と優しい言葉をかけてくれた。でも何度も何度も頭を下げた。

頭を下げても状況が改善するわけではないけれど、頭を下げずにはいられなかった。心の底から、ただただ申し訳ない想いがこみ上げてきて頭を下げた。

目の前のいる先生方に迷惑をかけた。
それだけじゃない。

そのイベントをしっかりと企画できていたなら、イベントに参加した人たちに喜んでもらうことができたはずで、そこでヨガに出会った人たちと先生との未来をつなぐこともできたはずだった。
 

「これでいいや」と思う甘え

企画者として失敗すること、手を抜くこと、「これでいいや」と思うこと、それはあらゆる人のチャンスを奪っていることになるんだ

と改めて思った。
   
自分の至らなさがはがゆかった。悔しかった。

「ちょっと仕事ができるようになった」そんな甘えが私の中にあった。そして「いつも通り、この流れでやれば大丈夫だろう」という企画しか見えていない私がいた。「誰に喜んで欲しいか、誰のためにやるのか、何のためにやるのか」という相手の顔が見えていなかった。
 
 
最終的には現場での周りのかたがたの助けによって、イベント自体は集客もできてなんとかなってみんなが「今日はありがとう」と言って帰ってくれた。帰り道一人泣きながら

「もう絶対同じ失敗はしない。誰のためにやるのかが見えなくなったら終わりだ」

と誓った。
 

これがBESTだと思える仕事がしたい

最近、一緒に働く仲間によく「鬼や」と言われる。(冗談なのはわかってる)自分にも厳しくあるつもりだけれど、周りに優しくできるほどの余裕がなく厳しくしてしまうことがある。

海外から来られるヨガの先生のホテルの手配を頼んだとき「いつも利用しているホテルが満員だったから3駅遠いホテルでとりました」と言われても「ありがとう」とは言えない。「電話したら空いてることがあるから」とお願いして電話してもらう。実際空いていていつものホテルを押さえることができた。
 

最後の最後まで「これがBESTだ」と思える仕事がしたい。
 
 
3駅なら時間で考えれば10分も変わらない話だけれど「10分くらいたいしたことないからいいよ」と言っていいのは私じゃない。許可を出せるのはその先生であり、こちらとしては「どうしようもなかった」と言えるまでに何をしたか、が大切でありそれが信頼につながるんだと思う。

使い慣れていないホテルをご案内して、もしそのせいで先生のコンディションが悪くなったとしたら、迷惑をかけるのは先生だけじゃなく、その講座を受けに来た生徒さんにも申し訳ないことになる。結果、私たちのブランドをも傷つける。
 
もちろん費用対効果の話もある。「+αでBESTを尽くす手間を考えたら他の売上げが上がる仕事をした方が良い」という理論もわかる。でも長い目で見た時に、結果的に良くなるのは「信頼できる相手」とやる仕事だと思うから、そのちょっとの手間をかけることで生まれる信頼なら、私はその「ちょっと」をいくらでも積み重ねて行きたい。信頼してくれる相手と、信頼できる仕事がしたい。

仕事の大きい小さいを決めるのは誰か

一緒に働いている仲間がミスをした時に「おおごとですか?」と聞かれて、どうしても気になった。

会社的にはおおごとではない。些細なミスだ。でもそのミスによってお客さんで1人でも残念に想う人がいたなら、私たちは「おおごと」だと受け止めなきゃいけない。

私たちが企画したものにわざわざお金を払って時間を調整して来てくれる、そんな相手には出来る限り喜んでもらいたい。

私なら、そう想う。

この考えが正しいのかどうかはわからないけれど、何かが起きた時、上司や先輩の顔が浮かんで「怒られる」と思うなら、そんな仕事やめたらイイ。
 

企画する時、手配する時、想いを届ける時、
「この人をめっちゃ笑顔にしたい」と相手の顔が思い浮かんでワクワクする。

だってそっちの方が、楽しい仕事ができると思わない?

私はそう思う。だから私はこの仕事を続けていけるんだと思う。