「女子力」と戦うエッセイ

母親になり男に求める条件が変わった話

経済力・学歴・包容力・優しさ・身長

「男性に求める条件」と言えば、経済力・学歴・包容力・優しさ・身長とか、たぶんそういう類のものが並ぶ。

15歳の時に初めての彼氏となる人に出会い、16歳の誕生日を迎えてすぐに付き合い始め、付き合って1ヶ月後に結婚の約束をし、その12年後に約束どおり結婚した私は、「彼氏を探す」ということをしたことがない。世の中の女性が恋人を探す時に男性に求めるであろうものの多くをその後出会った男性に求めることなく生きてきた。

もちろん、30数年間生きていると出会いはたくさんあるもので、人としてステキな男性は数多いた。でも私には16歳で決めた婚約者がいる。と言っても高校生が決めた口約束の婚約なんてあってないようなもので、彼と別れて次に行くという可能性も無いわけではなかったが、当時から「誰と付き合っても楽しいことも悲しいこともたくさんあるだろうから、この人と別れて新しい人と付き合って次に行ってまた別れてを繰り返すよりはこの人を育てたほうがいいんじゃないか?」と思っていた私は何度かの別れはあったもののくっついて別れてまたくっついて、彼を育てることに成功していた。

ただ、ステキな男性は本当にたくさんいる。「イイ男がいない」と嘆いている女子は多いが、私の尊敬していた女性の名言がある。

「出会いなんて道端にだって転がっている。出会いがないんじゃなくて、モテないだけだ」

ということで、「イイ男がいない」と思っている人には、もう一度道路を歩いてみることをおすすめするけれど、ステキな男性は必ずいる。どこに行ってもいる。ご多分に漏れず、私にも「この出会いを逃したくない!」と思う男性はいた。

70億人もいる世界の同じ時代に生まれ、せっかく出会ったこの軌跡を素通りしてしまうにはもったいなさ過ぎる。もったいなさ過ぎる。でも、私にはもう恋人枠は空いていないんです。別にその相手が私に恋心を抱いているわけではないけれど。

そんなことから、私が男性に求めるものは「私を成長させてくれること」に変わった。経済力・学歴・包容力・優しさ・身長もいらない。何か1つ、私が「この人のここを盗みたい!」と思うものがある男性を見つけては、くっついてそのコツや真似を繰り返して私は大きくなっていった。「なぜその憧れる対象が女性では無かったか」というと、子どもの頃からお兄ちゃん子だった私は年上の男の子に可愛がってもらうことが多く、男心というものの中でコロコロと転がったふりをするのがうまかったので、「この人と仲良くなりたい!」と思った男性に近づくのが上手かったのだ。

勉強ができる人からは勉強を教えてもらい、仕事ができる人からはどうしたらそんな風に仕事ができるのかを学んだ。私の中で長い間、男という生き物は、「付き合う対象・結婚対象」ではなく、「私を成長させてくれる先生」のようなものだった。

ただ、第一子(男)出産から約1年が経とうとしている今、私は自分の中の変化に気がついた。今ままでは「先生」のように尊敬できていろいろなことを教えてくれること、それが私が男性に求める条件だったが、ここ最近、求めるものが変わってきた。

「母親にとって息子は小さい恋人のようなもの」という言葉があるが、実際愛情を注ぐ対象は夫くんと息子がいればもう十分で、あいかわらず男性は恋愛対象ではない。かと言って、以前のように「私を成長させて欲しい」とも思わない。

では何か? 今「この出会いは逃せない!」と思う男性に出会ったなら、その男性に求めるものは、「あなたはどんな風に育てられたのか」だ。

親はあなたをどんな風に育てたのか? どんな風に育ったらあなたみたいなステキな人が育つのか、を知りたい。どんなふうに育てたら、そんな発想ができるようになるのか、を知りたい。

もう私は、男の子のママになってしまったのだ。男の子ママとしては、できるなら非モテよりもモテよりに育ってほしいと思うものだろう。息子をイケメンに育てるのはDNAの関係上難しいけれど、私が「この人いい!」と思った人が育った環境を真似れば、少しでもモテに寄って育ってくれるんじゃないかと期待している。

これを読んでいる私の周りの男性がいたら覚えていて欲しい。もし私が「ねぇねぇ、子どもの時、どんな風に育ったん?」と聞いてきたら、あなたは私の逃したくない男性の1人に入れられてしまったということだ。