UNIBRAND

フリーランスとして、ママとして、自分をブランドにする生き方|栢原陽子

書くこと

22歳だった私には27歳の上司はすごく大人に見えた

投稿日:2017-01-27 更新日:

私が新卒で入社した会社では、それまで中途採用しかおこなっていなかったため、私たちが新卒1期生だった。私たちが入社するのとほぼ同時に役員として営業部長に27歳の男性が着任した。

法人営業の部署に採用された私は彼の下で仕事のいろはを教わった。今30歳を超えた私が27歳という年齢だけを見れば、まだ社会のなんたるかを少しかじっただけの若者だけれど、当時22歳だった私からすると27歳のその上司はすごく大人に見えた。
 
 
彼は日本全国誰もが知っているフリーペーパーの創刊に携わった人だった(はず)。仕事ができて、「創刊時に渋谷のお店をほとんどまわったからどこのお店も知り合いばかり」と言ったセリフも、新米東京人の私の胸に刺さり、周りを見ればリクルートスーツばかりの社会人なりたての私にとってはオシャレな茶色い革靴もかっこ良く見えて全てが憧れだった。

私が朝から晩まで働きづくしで休みの日にも出勤しているのを見た上司が「せっかく東京に来たのに全然遊んでなくないか?今度の休み、渋谷でも行くか?」と声をかけてくれた。すぐにその週末の約束をした。憧れの上司だけれど、やましいことなんて何もないけれど、それでもちょっとワクワクして同期には言えないまま当日を迎えた。
 
 
当日、おめかししていたらギリギリの時間になってしまったけれど靴はもう決めてあった。

少しでも背伸びしたくて、ピンクのツイードで後ろにリボンが付いたちょっと高めのヒール。ヒールはあまり履き慣れていなくて渋谷の街を歩き続けるには不安があったけれど、一番大人っぽいものをと思い選んだ。

靴箱から取り出すと、後ろに付いているリボンが取れかけていることに気づき「なんでこんな日に?!」と焦りながらもなんとか崩れているのがわからないようにして家を出た。
 
 
渋谷のどこで待ち合わせをしてどこに連れて行ってもらったかなんてもう覚えてないんだけれど、ちょっとオシャレなカフェに連れて行ってもらいカウンターに案内された。打ち解けていない相手と向かい合って座るのが苦手な私は、昔から横並びになれるカウンターか好きで少しほっとしながら席に着いたことをよく覚えている。
 
 
聞きたいことはいっぱいあった。なぜこの会社に入ろうと思ったのか、27歳でなぜ役員になれるのか。そうでなくても好奇心旺盛な私は、目の前にいる私よりも大きな世界を生きてきたであろう上司に興味津々だった。

質問攻めにも快く答えてくれる姿も、いちいち「ステキな考え方だな」と思わせる返答も大人だった。ごはんも食べ終わってコーヒーだかカフェラテだかを飲んでいる時、こんな貴重な機会に聞き忘れをしてしまわないように、私の中にある質問BOXを確認したらもう1つ聞きたいことが残っていた。
 
 
「夢はなんですか?」

「俺、世の中のお母さんってすごいと思ってるんよね。俺が母親のこと尊敬しているっていうのもあると思うんだけど、日本の女性やお母さんがもっと活躍できるような、輝けるような仕事をしていきたい。」

私は「自分も働く女性になるから、なにか働く女性をサポートできる仕事に就けたらいいな」そう思って選んだ会社だった。私は女性だからそう思って当然だろうと思っていたけれど、男の人でそんな風に考える人がいるのは軽い衝撃であり、嬉しかった。
 
 
その後はもう、私の質問BOXに「聞いておかなければならないこと」は何もなくて、「休みの日はいつも何してるんですか?」と私が聞いたのをきっかけに「レコード店まわってる」という話になりセンター街にあるレコードのお店に連れて行ってもらった。音楽なんて全然知らない私には全くわからない世界だったけれど、そんなことよりも人生で初めてのセンター街にドキドキしていた。

その後、小説のようなドキドキする展開は何もなくて駅まで見送ってもらい「また明日から頑張ります」と言って手を振った。
 
 
先日、たまたまFacebookでその上司の名前を見つけて、彼のプロフィールを見ていると今は独立して人材系の会社を経営しているらしかった。会社のサイトに載っているメッセージを読んで「あー、あの時話してくれたこと、実現させたんですね」と懐かしがりながら心の中で拍手を送った。

もしもいつか、どこかでまた会うことがあったなら、その時に胸を張って会える自分でいたいと思った。
  
  
————————
と8割くらいフィクションでお送りしましたが、そんな記憶を思い返したのは、今、ある「女性のためのヨガの講座」のPRを担当させてもらっていて、その講座が存在する意味を考えたら、「日本の女性をより輝かせること」という答えが出て、この記憶が呼び起こされたから。

私も頑張る女性のひとり。
だからこそ、同じように頑張る女性に輝いていて欲しい。
 
 
 
【PR】サントーシマ香先生によるムーンサイクルヨガ指導者養成講座
ヨガ、アーユルヴェーダ、生理学の観点から女性に”自らを充足させるライフスタイル”を提案
※本当に若干名まだ空きがあるので、せっかくなら満員になったらいいなと思ってのお知らせでした。

-書くこと

執筆者:

関連記事

代官山蔦屋

人生がラブストーリーでありますように

私の父はすごく読書家で、夜父のベッドに潜り込んでは枕元にある分厚い本を見て「お父さん、すっごい本読むんね。この本、絵、ないで?」と子供ながらにびっくりしていた。 私は大学生になって読書の楽しみに目覚め …

tullysatRoppongi

行き場のない言葉たち

言葉が彷徨い続ける、私の中で。生まれても消えることもできず、どこかに出ていくでもなく、ただただ、出口を探し、他の言葉にぶつかってはまた押し出されるようにして私の中で強まったり弱まったりと彷徨い続ける。 …

no image

文章屋は、書きあげた文章でしか評価されない。

2014年11月15日、”UNIBRAND”という名前をつけてフリーランスとして自分のサービスを立ち上げた。忙しくなり過ぎて全然サイトの作り込みもできないまま、様々なプロジェク …

tn-tokyo1

“想い”は選ばれた言葉によってカタチになる

「好き」という気持ちを一生懸命伝えたくて、何度「好き」と伝えても、どれだけ大きな声で「好き」と伝えても、どれくらい相手のことを好きなのかを伝えることはできなくて、「買って欲しい」と思う商品やサービスを …

高尾先生と

情報の価値は受け手が決める

世の中にはたくさんの言葉が溢れているけれど、各言葉や情報には「伝える価値」の違いがある、そう思っていた。例えば地震が起きた時の速報は誰にとっても価値の高い情報であり、日曜日の昼間にやってるような芸能人 …